
5/31、東京都青梅市にある一般住宅にて、大地の再生講座を開催しました。

会場となったのは高台に建つ住宅地。
造成時に斜面へコンクリートが施工されており、土中の空気や水の流れが滞りやすい環境でした。
目の前の斜面には笹が密生し、風や光が届きにくい状態となっていました。
今回のテーマは、
「空気を敷地に浸透させるきっかけづくり」
です。
大地の再生では、水だけでなく空気の流れを整えることを大切にしています。
私たちは現場を見立てながら、
に着目しました。

午前中は、
「風を動かす」
「光を通す」
ことを目的に作業を実施。
竹藪では風の通り道をつくるように、果敢の草刈り。竹全てを刈るのではなく、空気の流れを作る草刈りです。
雑草の多いエリアでは、講師の佐藤俊が『風の草刈り』をレクチャー。
風の草刈りで大切なのは、ただ草を減らすことではありません。
地形に沿って風が動く空間をつくること。
そして刈った草は持ち出さず、その場に還し、土へと戻していくこと。
そこに暮らす生きものたちの栄養となり、次の循環を支えていきます。

竹藪から建物へ向かって風が流れるように環境を整えていくと、
少しずつ場の空気が軽やかになっていくのを感じました。
午後は斜面に通路をつくりながら、通気浸透水脈の施工を行いました。

人が歩くための道は、単なる通路ではありません。
歩くことで土が安定し、泥の流出を防ぎ、空気と水が土中へ浸透していくきっかけとなります。
さらに通気浸透水脈によって土中の流れが整うことで、家の周辺に滞っていた空気や水がゆっくりと抜け始めます。
土中の流れが変わると、地上の流れも変わります。
風が通り、光が差し込み、人が歩きやすくなる。
すると場全体の循環がさらに活発になり、心地よい環境へと育っていきます。

作業後には参加者の皆さんからも、
「風が変わった」
「空気が軽くなった気がする」
という声が聞かれました。
大地の再生は、何かを新しくつくる技術というよりも、本来そこにあった流れを取り戻していく営みです。
空気の流れ。
水の流れ。
人の流れ。
それぞれがありのままにつながることで、その土地が本来持っている力が発揮されていきます。
今回の講座では施主様ご自身にも作業へ参加していただきました。
自らの手で土地に触れ、変化を感じていただけたことは、私たちにとっても大きな喜びです。

これから季節を重ねながら、この土地がどのように呼吸を深めていくのか、とても楽しみです。