
2026年6月26日、東京都日野市にあるはり灸治療室るんびににて、庭屋いぶきによる「公開見立て」を開催しました。
当日は、大地の再生による庭づくりに興味のある方や、ご近所にお住まいの方など、多くの皆さまにご参加いただきました。
「庭を見立てるとはどういうことなのか。」
実際の庭を歩きながら、大地の再生の考え方を体感していただく一日となりました。
庭屋いぶきの渡部と佐藤は、この日会場となった「はり灸治療室るんびに」で日頃からルート治療を受けています。
私たちがこの場所にご縁をいただいている理由は、「不調が起きている部分だけを見るのではなく、その原因から整えていく」という考え方に深く共感しているからです。
大地の再生も同じです。
木が弱っているから木だけを治すのではなく、土の中の空気や水の流れ、周囲の環境まで見立て、本来の循環を取り戻していきます。
人も大地も、本来持っている力を発揮できる環境を整えること。
そんな共通した想いがあるからこそ、今回この場所で公開見立てを開催させていただきました。
はり灸治療室るんびに
https://www.oyakohari-runbini.jp/
まずは、庭屋いぶき・渡部より、オリジナル小冊子を使いながら、大地の再生の基本的な考え方をご紹介しました。
この日は台風が近づいており、あいにくの雨模様。
だからこそ、「雨」とどう付き合うかについてもお話ししました。
近年は地球温暖化の影響により、各地で豪雨災害が増えています。
神社やお寺、学校、公園、そして私たちの住まいでも、雨水を一時的に貯め、ゆっくりと大地へ浸透させる「雨庭」の考え方は、洪水の軽減だけでなく、地下水の涵養や海の環境保全にもつながります。
庭は美しくするだけでなく、地域の環境を守る役割も担うことができる。
そんな庭屋いぶきの庭づくりについて、お話ししました。
続いて、庭屋いぶき代表・佐藤俊による公開見立てを行いました。
まず敷地全体を歩きながら、空気と水の流れを読み解いていきます。
るんびにの敷地は、建物の裏側には土の庭が広がる一方で、建物の正面はコンクリート舗装。
さらに前面道路や三面張りの用水路へと続いており、庭で浸透した雨水が逃げ場を失い、敷地内に滞留しやすい環境となっていました。
建物の表側と裏側の土中環境をつなぐためには、一部のコンクリートを取り除き、空気と水が通り抜けられる環境をつくることが重要であることをお伝えしました。
建物裏のお庭へ移動すると、樹木にも変化が見られました。
葉の勢いが弱く、幹を軽く揺らすとグラグラと動いてしまいます。
これは根が十分に地中へ伸びられていないサイン。
原因は、土の中の空気と水の停滞でした。
大地がむくんだような状態になると、雨の日は水たまりができ、晴れれば土埃が舞いやすくなります。
さらに湿気がこもることで、蚊などの害虫が発生しやすい環境にもつながります。
庭の不調は、植物だけの問題ではなく、人が過ごす環境にも大きく影響しているのです。
改善のためには、土中に通気浸透水脈を整え、水はけを改善すること。
そしてもう一つ大切なのが、地上部の風通しです。
樹木本来の樹形を活かしながら行う「風の剪定」によって、光と風が庭全体に巡るようになります。
土の中と地上、両方の流れが整うことで、庭は少しずつ本来の健やかな姿を取り戻していきます。
現地での見立て終了後は、室内へ移動して「お庭の相談会」を開催しました。
参加者の皆さんからは、
日常の草刈りはどうすればいいの?
ドクダミは抜いた方がいい?
急に木が枯れてしまった原因は?
など、普段なかなか相談する機会のない質問が次々と寄せられました。
一つひとつの庭の状況に合わせながら、佐藤が丁寧にお答えし、参加者の皆さんも熱心に耳を傾けてくださいました。
今回公開見立てを行った「はり灸治療室るんびに」では、この夏から大地の再生工事がスタートする予定です。
実際の施工現場で、土中環境の改善や風の剪定、庭づくりを体験しながら学べる貴重な機会となります。
庭がどのように変化し、植物や生きものたちがどのように育っていくのか。
その変化も、これから皆さまと一緒に見守っていけたらと思います。
ぜひ、実践の場にもご参加ください。